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日記

- 中学生の英語を指導していて思うこと。地方から全国区の有名大学へ進学するには。
 例えば,自分が住んでいる東海地方の最難関学部であると思われる名古屋大学医学部へ進学することを目標にすると仮定する。国立大学の医学部は,首都圏,地方に関わらず全国の猛者達が受験してくる。よって,他の学部と違い,いくら名古屋大学といえどもライバルは全国区である。ここに受かる実力があれば,国公立大学の他学部や有名私立大学の他学部には合格するだろう。予備校の医学部偏差値ランキングを見ると,東大,京大,阪大,東京医科歯科大,九州大,東北大,千葉大,北大,東北大,名大などとなっている。ここに受験形態が違う防衛医科大も入ってくるだろう。それぞれ定員が80~100名であることを考えると,全国模試で500位以内に入ることが目標になってくる。
 全国で500位というのは,相当難しい。全国の有名私立高校や難関国公立高校の上位者でほとんど占められるだろう。だから,親は子供をそういう学校へ行かせたがる。しかし,地方で育った子供がそういう中学や高校,または中高一貫校へ行って,ついていけるのだろうか。残念ながらそういう例を聞いたことがない。親が医者や歯医者で,子供に跡を継がせたくて,全寮制の有名私立高校へ通わせても,ついていけなくて(悪い言葉で言えば,落ちこぼれて)ゲームばかりしているなどという相談もあるし,だいたい高校に入ってから,ついていけないからと英語を習いに来ても,中学から習いに来ている地元の公立高校へ進学した子よりもできないし伸びないのである。地元の公立高校からでも,医学部に進学する生徒もいる。結局のところ,学校の勉強だけでは,どんな高校に行っても偏差値の高い大学へは進学できないのである。
 では,なぜ私立の中高一貫校や難関高校へ行くと全国模試で上位に入れるのかと言えば,中学の勉強から進度が速いからである。中学の勉強を2年で終わらせ,1年早く高校の勉強を始めることにより,他の受験生より1年長く受験勉強をするからである。この進度の速さのせいで,落ちこぼれる生徒はとことん落ちこぼれる。進度の速い進学塾へ行ったり,自分で予習・復習をしたり,先生の言っていることが理解できる早熟な頭を持っていないとついていけなくなる。総じて,地方ののんびりした公立の生徒たちには向いていない。幼いうちから電車に乗って幼稚園や小学校に通ったり,都会の人ごみに埋もれて生活している都会の子供は,恐らくアイデンティティーの確立が早く,自分の居場所や地位を確立することに必死になるはずである。それがサブカルチャーの方向に向かうか,勉学の方向に向かうかは,親の指導や子供の性向によるだろうが。
 難関大学の受験において,自分のライバルの半分は浪人生である。大抵の現役生は夏休み頃から受験勉強を始めるが,浪人生は一年長く受験勉強をしているのである。現役生は圧倒的に不利である。これに対抗するには,現役生も一年早く受験勉強を始めるしかない。つまり,地方の学生が全国レベルの難関大学へ行く一番の近道は,有名私立中学に入ることなんかじゃなくて,中学の勉強から学校より自分で先に進んでいって(またはそういう塾へ行って),一年のリードを保ち,高2までにすべての受験科目を一通り勉強してしまうことである。一番のポイントは,一年(以上)早く高校の勉強を始めることにある。中学の勉強は,総じて簡単であり,教えるレベルや量が地方や先生によって全く異なる。公立中学の進度に合わせていたら,中高一貫校での生徒たちに遅れを取ってしまう。そういう意味では,大学入試の合否は,すでに中学1年で決まっていると言ってもいい。中学の勉強で,全国レベルの参考書を読み,問題に当たり,中3から高校の勉強を始めること。これを子供ができる環境を整え,モチベーションを与え,ヴィジョンを示すのが親の役割と言える。「勉強しろ」と言って,有名私立中学に入れても,それだけでは現役合格は無理だろう。
 各教科の勉強法というか特徴のようなもの(各論)や受験以後ということも書いてみたい。受験以後はなんだかばかばかしいので書かないかもしれない。いや,本当はそっちの方が重要なんだけど。
by tut_ankh_amen | 2009-06-25 20:02 | 日記


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